ニート(ミニマリスト個人事業主)という理想の暮らし
自分で生活してるニートって凄くいい。憧れる。
それは個人事業主とミニマリストを足して2で割ったような存在だと思う。
自分で生み出した仕事をしてお金を稼ぐ個人事業主の、もっともコンパクトな形。それが自活ニートだ。
矛盾するように思われるかもしれないが、自活するニートこそ今後の世の中の「働き方」を作ると個人的には思っている。
そもそもニートとは
NEETとはNot in Education, Employment or Trainingの略で、要するに「就学も就労も訓練もしていない人」という意味だ。
「就労」とまではいかないが、必要なタイミングで必要な分だけ稼いだり、そもそもお金ではなくてお米とか野菜とか、必要なものを直接手に入れて生活している人物は結構いる。
そういう、就労はしていないが生きていく為に自分で生活を作っている人。そんなニートを私は尊敬している。
彼らの方が生き物にとって本来あるべき姿に近いとさえ思う。
それに少なくとも彼らのほうが、ブラックな就労を苦に自殺する人よりは長生きしそうだ。
個人事業主とニートの境界線
個人事業主と自活ニートの決定的な違いは何かというと、実はそれほど大きな違いは無いと思う。
届け出さえすれば、いかなるニートもあっという間に自営業者の肩書を手に入れられる。
1年間に一定額以上(これは結構ボーダーが低い)の収入を得ればその収入を申告する義務があるし、かかる税額の都合で便宜的に個人事業主として事業者登録をしているニートもきっと多いだろう。
要は、自営業者として登録した方が確定申告の際に税金的に有利か不利かの違いだ。
だから、登録上は個人事業主になるニートもいれば、ほとんど仕事が無くてよっぽどニートらしい個人事業主もいる。
両者はほとんど同じものだし、本人がどういったモチベーションで存在しているか程度しか変わらないと思う。
ミニマリストとしてのニート
自活ニートにとって、ミニマリストという価値観は非常に相性がいい。
というより、お金をほとんど必要としない超小規模な個人事業者が自活ニートなのだ。
最近では100均なんかでも非常に優れた道具が揃ってしまうし、インターネットの発達によって必要な物を必要な時だけシェアして使ったりできる時代だ。車?大きな家?全然必要ない。
わざわざ財を投じてまで手に入れなければならないものなんて、実際にはほとんどない。みんなどれだけ贅沢をすれば満ち足りるんだろう。スマホがあればテレビもラジオもパソコンも本もDVDも、それを置く家具もスペースも要らない。
インターネットやインフラの発達で、もはやほとんどお金をかけずに生きていける。
そしてその事実はそのまま、ほとんどお金を稼がずに生活する可能性を膨らませた。
生活にあまりお金が必要ない事業者は、実際にはほとんど働かなくて済む。そうすればそれは自活ニートになる。
月に5万円あれば暮らせる個人事業者が、1ヶ月だけ働いて残りの11ヶ月をダラっと過ごしていたら、世間からはニートだと思われるだろう。
自活ニートは、ミニマリスト系個人事業者なのだ。
非効率な手取り金
何かの本で「1万円を節約することは、2万円を稼ぐ事に等しい」という考え方を知った。
例えば1日の生活に掛かる食費が2000円、住居費が3000円だったとしよう。
ザックリと以下のように考えることができる。
日給20000円-税金5000円-食費2000円-住宅費3000円=10000円
手元に残った1万円というのは、賃金でいえば2万円の稼ぎに相当する。
しかも、それを得るために労働に費やした1日という人生の時間を換算せずに、だ。
これは、結構すごい事だ。
つまり、家賃を含めて生活費を毎月10万円節約できれば、年収300万円で生活していた人は300-240=年収60万円で生活できる可能性を手に入れる。
これはつまり、週5日の労働を週1日にできる可能性を示唆してる。
(もちろんそれ以外の問題も山積みだけど)— とま🍀Geek’n climber (@toma_spp) 2017年9月6日
年収60万円。これって1〜2ヶ月働けば得られる程度の金額だ。
1ヶ月だけ働いて11ヶ月ダラっとしている事業者。まさしく先程挙げた自活ニートに他ならない。
生活をコンパクトにすると、人は自由を手に入れられるのだ。
ニートが社会に風穴を開ける
もはやそれほど必要ないはずの経済活動に参加させようとするあまり「水素水が凄い!」とか言って意味不明の茶番が繰り広げられる世の中だ。
しかも水素水を手に入れる為に頑張って働いちゃうぞっていう人が結構な数現れちゃったりして、いよいよ世の中は混沌とする。
そんな様子を見ていると、いっそニートの方が健全に思えてくる。
お金って便利だからついつい手軽に「お金で解決」してしまうけれども、実際にはお金を使わずに解決する方が面白いし、それがそのまま経験になって結果的に仕事になったりする。
あんまりお金に頼っていると生きる力を育むチャンスと、人生を楽しむ機会を根こそぎ奪われてしまうのだ。
その点で自活ニートはいい。生物としての生きる楽しみを奪われていない。十分に時間をかけて人生に取り組む可能性を取り戻している者たちだ。
ミニマリストもニートも今後どんどん増えていくだろうし、それらはどんどん融合していくだろう。
そうなってくると、いっそブラック企業だなんだのとボロボロに疲弊した社会人の方が「シャカイジン」とかって揶揄され始めるんじゃないかとさえ思う。
若い人の多くはもうとっくに「時間>お金」だし、人生や健康を投げ打ってでもお金のために労働したいと思うような人は今後ますます減るだろう。
行き詰まって閉塞感に満ちた労働社会に、新しい風を吹かせるのはニートなんじゃないだろうか。時代の風向きはニートの方を向いているように私には感じられるのだ。
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